風水と聞くと「怪しい」「詐欺?」「宗教?」と考える人がいます。

確かに、風水師や風水鑑定士を名乗って詐欺や霊感商法まがいのことをする人もいますが、それはほんのごく一部。
風水は、中国で発祥した環境哲学であり、自然界の地脈や水脈、山や川の位置などから最も環境の良い場所を割り出すための知恵でした。

自然と人々の暮らしをより良いものにするための学問として受け継がれ、現代においても熱心に研究を続ける人が多くいます。

風水の歴史

風水の歴史は紀元前3000年頃の中国。

中国で生まれた占いの『周易』や、陰陽説と五行説が組み合わされた思想の『陰陽五行説』等の思想に基づいて、環境の良い土地や場所を探すための術として発達しました。

当初は、戦略的な要地を探し用兵を活用するための軍学として用いられることが多かった風水ですが、民間に広がると家相や墓相等の分野に発展しました。

風水は推古天皇の時代(602年頃)に伝来したとされています。風水をベースに作られた平安京は、風水の思想に基づき、四神である青龍、白虎、朱雀、玄武の気が集まるよう都づくりが行なわれたと言われています。また、皇居や寺社仏閣の位置や方位にも風水の考えが取り入れられています。

現代においても、風水は、住宅やオフィス、店舗等の設計や配置、また、個人の運勢や健康を良くするための方法として、広く用いられています。

風水の考え方の基本

風水では、気(精神的なエネルギー)は常に流れており、その流れは、方位や形、素材、色彩等によって変化すると考えられています。
その流れを理解して、その流れを良くしたり変化を与えることで、人の運勢や健康を良い方向に導けるというものです。

風水の手法

風水の具体的な手法としては、方位磁針を用いて方位を測定し、その方位に基づいて、家の形や配置、建物の形や色彩を調整。屋内では、家具やインテリア等の配置を風水を用いて整えます。

それに加え、『五行説』に基づいて、木・火・土・金・水の五つの要素のバランスを整えることも重要とされています。

おわりに

科学が飛躍的に進歩した現代でも、風水の科学的根拠はなく証明されていません。
現時点の風水は、「長い歴史の中で培われた経験に基づく知恵」です。

しかし、「気」という存在が科学的に証明された時には、風水の理論やシステムも解明されるでしょう。

まだまだ未知のこと、解明されていないことが多い人間の世界。風水の概念が『袋小路を感じる人の進化を打破する鍵』のひとつかもしれませんね。