神嘗祭とは?

伊勢神宮でもっとも大事とされる神事、 神嘗祭(かんなめさい)。「しんじょうさい」や「かんにえのまつり」とも呼ばれるこの神事は、毎年10月15日から17日までに間に執り行われます。

天照大御神(あまてらすおおみかみ)に、その年の最初に収穫した稲穂である「御初穂(おはつほ)」をお供えし、収穫の感謝を捧げるこの神事。全国の農家の稲穂だけでなく、天皇陛下が自らお育てになった稲穂も奉懸されます。

日本中の収穫奉謝の真心が、稲穂を懸ける姿となって見られるのが神嘗祭なのです。

かつては旧暦の9月に行われていましたが、1873年(明治6年)の太陽暦の採用以降は新暦の9月17日に行われるようになりましたが、稲穂の生育が十分でない時期だったため、1879年(明治12年)以降は10月17日に実施されるようになりました。

新嘗祭とは?

他の神々に先立って収穫の感謝を天照大御神に捧げる神嘗祭が終わると、次に行われるのは新嘗祭(にいなめさい)という祭儀です。

こちらは11月23日に宮中三殿の神嘉殿(しんかでん)で天皇陛下によって執り行われ、天神地祇すべての神々に収穫を感謝されます。

新嘗祭と勤労感謝の日

お米を古来から主食としてきた日本人にとって、五穀豊穣の感謝祭である神嘗祭と新嘗祭は、とても意義のあるお祭りです。

その証拠であるかの様に、神嘗祭は第二次世界大戦前には国の大祭日とされていました。

因みに現在では、新嘗祭の日が祝日に指定されています。11月23日「勤労感謝の日」です。

勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日が勤労感謝の日です。

「新嘗祭」として、その年の勤労で結んだ成果を国民一体となり神様に捧げていた祭日が、戦後に転用されて今日のような勤労感謝の日になりました。

おわりに

秋の収穫を感謝するために古来から続く、日本の伝統行事である神嘗祭と新嘗祭。

今度お米を召し上がる時にはこの行事や神々、そして汗水垂らして働いてくださっている農家の方々に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。