団子より花」?

「ぶどう狩り」などの「フルーツ狩り」はいかにも食欲の秋にふさわしい感じがします。

ただ「紅葉狩り」だけは食欲とは、無縁です。「花より団子」ではない、この場合はむしろ逆で「団子より花」という訳ですね。「なし狩り」で得られるものは「なし」ですが、 「紅葉狩り」で得られるものは「ナッシング」。

本来狩りとは「いのしし狩り」などのように狩猟の言葉なので「キノコ狩り」なども動物対象ではないのでおかしいわけですが、とにかく腹の足しにもならないようなものを狩りにいくのは、紅葉がまるで「錦絵」のように美しく、それを鑑賞することで息を飲むばかりの感動を得られるからにほかなりませんね。「錦秋(きんしゅう)」というあでやかな言葉もあります。

そう言えば、春の桜は「花見」と表現はされるけれど、 「桜狩り」とはけっして言いません。まあ、もともとは紅葉を集めて楽しんでいたのが、眺めることに変わっていったという説もあるにはあります。確かに、料理のわきに真っ赤なもみじが添えられていることもときどきあり、まんざら食欲と無縁だとも言えません。

逆「桜前線」?

まったく一般的ではありませんが、「紅葉前線」というものもあります。

春の「桜前線」が日本を北上していくのに対して「紅葉前線」の方は逆に南下してゆきます。イロハカエデが紅葉する同期日を結んで地図上に示す線が紅葉前線です。これから、春になって暖かく過ごしやすくなるというワクワクした感じを高めてくれる「桜前線」とは正反対に、紅葉の頃は過ごしやすい季節からだんだんと厳しい冬へと向かう時期です。

だから「紅葉前線」という言葉は定着しないのかもしれませんね。しかし、「紅葉」そのものは圧巻で十分にワクワクするものです。

わたしだけの小さい「秋」見つけよう

日光(栃木)・嵐山(京都)・耶馬渓(大分)が日本三大紅葉の名所です。

ただし、何もそのようなビッグネームな場所に限らなくても日本の国土(こくど)の 67%、3 分の 2 は森林である訳ですから、ある程度、足を伸ばせは自分だけの紅葉スポットを見つけることができるでしょう。

そして、それを発見できたとき、つくづくこの国に生まれた幸福をかみしめることができるのです。