こりこりとした食感とふんわりした香りが特徴的なたけのこ。
水煮を購入する方が多いかもしれませんが、皮付きはより食感と香りを楽しむことができます。
炊き込みご飯や煮物、焼き物など様々な調理法で楽しめるため料理に大活躍のたけのこですが、旬な時期はあっという間。
ここからはたけのこの旬な時期や種類、選び方についてご説明いたします。

たけのこは春が旬

たけのこは種類によって旬の時期が違い、一般的に食べられているたけのこは3月から4月の春頃が旬といわれています。
出荷量が最も多い時期は4月で、収穫は5月頃までとたけのこは味わえる期間がとても短いのです。
味わえる期間が短い理由はたけのこの成長スピードにあります。
たけのこは10日ほどで竹になってしまうため、食べることのできる芽が収穫できるのはわずかな期間のみなのです。

たけのこって何?

たけのこは竹の地下にある茎から出てくる若芽をいいます。
全ての竹の芽を総称してたけのこと呼びますが、その種類は様々で70種類ほどあるのだとか。
地表から先端が出てきたらすぐに掘り出さなければアッという間に竹になってしまいます。
成長が早いだけでなく、傷むのも早いためすぐに下処理をおこない美味しいうちに頂きましょう。
70種類もあるたけのこですが、食べられるものは数種類のみ。
どのような種類があるのかご紹介いたします。

孟宗竹(もうそうちく)

たけのこと言われた時にほとんどの方が想像する種類が「孟宗竹」
市場に出回っているたけのこも孟宗竹が多く、とてもポピュラーなたけのこです。
大型な孟宗竹は厚みがあるため、歯ごたえがあり食感も楽しめます。
えぐみが少ないのが特徴で、甘く上品な味わいのたけのこです。

真竹(まだけ)

「真竹」は、細長くて皮に黒い斑点があるたけのこです。
あくや苦みが強いのが特徴で、こりこりとしっかりした食感があります。
苦みが強いことから「苦竹(にがたけ)」とも呼ばれており、5月から6月に収穫されるたけのこです。

淡竹(はちく)

「淡竹」は皮が茶色ではなく少し赤みがかった茶色をしているのが特徴です。
孟宗竹に似ていますが、細く皮に産毛がありません。
地下茎が浅いため地表に出てくるのが早く、地面を掘らず出てきたものを収穫します。
えぐみやあくが少なく、淡泊であっさりとした味わいで4月から5月に旬を迎える種類です。

四方竹(しほうちく)

「四方竹」は小さくて、太さも1~2cmと細いたけのこです。
断面が丸みをおびた四角い形をしていることから四方竹と名付けられたといわれています。
皮を剥くとキレイな黄緑色が紫色に変色してしまうので、皮ごと茹でて処理をしましょう。あくが少なく食感はしゃきっとしています。
旬の時期は10月頃と春ではなく秋ですが、収穫時期は11月頃までと食べられる期間はやはり短いようです。

千島笹(ちしまたけ)

「千島竹」は主に涼しい北日本で生産されるとても小さいたけのこです。
四方竹と同じように太さは1~2cmと細く、地域によって「根曲がり竹(ねまがりたけ)」「姫竹(ひめたけ)」とも呼ばれています。
あくが少なく優しい味わいで5月から6月頃に旬を迎えます。

美味しいたけのこの選び方

旬の美味しいたけのこを見分けるにはいくつかポイントがあります。
皮つきのたけのこを購入する際は下記を参考にしてみてください。

  • 太く短いずっしりとした釣鐘形
  • 先端が黄色い
  • 切り口が白くてみずみずしい
  • 皮が薄い茶色で湿っている
  • うぶ毛が揃っておりキレイ
  • 皮にツヤがある
  • 根元周りのブツブツが少ない

たけのこは地表から先端が出たら収穫されるため、日が当たっていないものを選んだ方が新鮮です。
日に当たっているものはあくやえぐみも強くなるため、先端が緑で色も濃いため避けましょう。
根元のブツブツがあっても問題はありませんが、少ない方が柔らかくおすすめです。

たけのこの白い粉の正体は?

たけのこに白い粉のような塊を見たことはありませんか?
食べても良いものなのかわからず取り除いていた方もいるでしょう。
あの白い粉の正体は「チロシン」と呼ばれる成分でたけのこを茹でている時に、結晶化したもの。
食べても害はなく、アミノ酸の一種で脳を活性化する働きがあります。
旨味成分でもあるため取り除かず摂取すると良いでしょう。
しかし、時間が経つとえぐみがでてしまうため、気になる方は洗い流してから食べてください。

たけのこの栄養

たけのこにはヘルシーな食材ですが、様々な栄養が含まれています。
中でも豊富に含まれる「食物繊維」「カリウム」に注目してみましょう。
たけのこに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維で、腸の中で水分を吸収して膨らみ腸を刺激し便通を促してくれます。
腸内の環境を整えてくれるので便秘に悩んでいる方におすすめです。
食物繊維と聞くとレタスやキャベツを思い浮かべる方も多いかと思いますが、たけのこはその2倍といわれています。
カリウムは、むくみが気になる方や高血圧の方におすすめの栄養素です。
余分な塩分を体外に排出してくれるため血圧を下げ正常な数値を保つ効果があるといわれています。

まとめ

春の訪れを感じることのできる生のたけのこは風味も食感も格別です。
成長が早く、旬の時期にしか味わないためお店で見かけた際はぜひ購入してみてください。
孟宗竹が一般的ですが、種類によって違う食感や味が楽しめますので食べ比べもおすすめです。