2022年は寅年です。
1986年生まれの女性は、年女でありながら厄年と重なるため、あまりおめでたく思えない年という印象もあるでしょう。

そんな2022年は、どんな年になるのでしょうか。そしてどうやって乗り切れば良いのでしょうか。

歴史は繰り返し、暦も一定の周期で繰り返していると言われています。
この記事では60年周期で巡る暦から、2022年という年を読み解いてみましょう。

干支の暦は60年周期

干支というと、子・丑・寅・卯と続く、十二支を連想するのではないでしょうか。
しかしこれは、「干支」という暦の一端を為す「十二支」というシステムに過ぎません。

干支は正式名称を六十干支(ろくじっかんし)といいます。
六十干支は60年周期で巡る暦です。六十干支は以下の3つの要素で構成されています。

  • 陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)・・・森羅万象(木、火、土、金、水)を陰陽思想で示した思想
  • 十干(じっかん)・・・10日間を一区切りとした思想で方角を表現している
  • 十二支・・・方角を12の動物で表現している

60歳を還暦と呼ぶのは、六十干支で1周するのが生誕から60年後であるためです。六十干支という言葉そのものは日常的に目にすることはないものの、私達の暮らしに密着しています。

干支に見る寅年の運勢

2022年は六十干支で見ると、壬寅(みずのえとら)です。
六十干支では、言葉の音韻に神の意志が宿っていると考えます。
そこで音韻から、壬寅を紐解いてみましょう。

壬(みずのえ)とは、陰陽で見ると陽に該当します。
なお「陽」は、激しい様子を意味する言葉です。

さらに壬を五行陰陽でみると、「水の兄(兄=陽)」となり、水(=静を意味する)と陽(=動を意味する)となります。
壬とは、相反する意味の言葉で構成されており、相反する要素が互いを補い合って成立する関係の意です。

また壬を含む十干は、森羅万象すべての命が生まれ落ち、成長して次の命に繋がっていく様子を意味しています。
甲は生まれた状態。そこから成長を遂げ、10番目の最後の癸(き)で成熟するという考え方です。
この観点で見ていくと、壬は最後から2つ目ですから、成熟期を控えた段階と言えます。

では寅についてもみていきましょう。
十二支が時刻を表すことは、先述の通りです。
そして寅は、午前3時から5時。つまり明け方頃に該当します。

寅もまた壬同様に、開花前の時を意味する言葉です。

これらを総合すると壬寅という年は

  • 成長を遂げる前の段階
  • あたたかな春を迎える前の厳しい冬の時期

さらに壬の陰陽相克する意味から

  • 厳しい冬を乗り越えてようやく恵みの春に到達できる
  • 地道な努力を重ねることができれば、花開く時を迎えられる

となります。

つまり壬寅である2022年は、我慢と忍耐の時であり、ここで実力をつけておけるか否かがその後の運勢を大きく左右する要の時、と言えるでしょう。

2022年はどうやって過ごす?

壬寅(みずのえとら)の「壬」には「新しい命をはらむ」の意味があります。
壬の年は結果を焦らず、何か一つを自分自身の中にはらむべく、努める時期です。

そしてそのためには、困難に打ち勝たなくてはなりません。
困難を経て何かをはらんだ時に、ようやく満願成就の時を迎えられます。

壬の1年は、忍び堪える時期になることでしょう。
すべて投げ出したい気分に駆られることもあるかもしれません。

それでもグッと堪え、何か一つを習得することに専念しましょう。
厳しい冬を乗り越えた植物が春を迎えるや一斉に芽生える様に、必死にはらんだものが大きな実りをもたらします。

焦る必要はありません。
むしろ焦ってはいけません。

結果を急ぐあまり基礎をおろそかにすれば、倒壊の恐れをはらんだ危険な建造物にしかなり得ません。
結果とは、自ずと着いてくるもの。ただ目の前のことに専念する。それが壬寅の1年です。

2022年に厄年を迎える人の過ごし方

1980年生まれの女性は、2022年に厄年を迎えます。
厄年というと、災厄に見舞われやすい気の重くなる1年というイメージを持つ人も少なくないでしょう。

しかし厄年と壬の年のの過ごし方には共通項が多くみられます。

厄年、壬の年いずれも、その年の過ごし方が翌年の運勢を大きく左右する重要な1年です。

厄年には、年齢的に成長が落ち着き、心身の環境に変化が起こりやすいことから、気を引き締め直して過ごすよう戒める意味があります。

壬も同様、より一層の飛躍のために、グッとエネルギーや知識を蓄える時期です。

ある程度の経験を積めば、誰しも慢心を持つようになるのが人の性でしょう。
しかし現状に甘んじることなく、自らを省み、背筋をただして自らを律することの重要性を、厄年、そして壬は示しています。

人生常に上向き続けるということはあり得ません。
苦あれば楽あり。
楽あれば苦あり。
しかし終わらない冬はなく、止まない雨もありません。

冬だからといって怠けるのではなく、冬にしかできない備えを怠らない。
雨だからと怠けるのではなく、雨だからことできることをに精一杯努める。

その先にこそ晴れやかな日々が待っていることを、暦は示しています。

おわりに

壬寅を紐解くと、キラキラした1年は連想できないことが分かります。
2022年も厳しい状況が続くのかと思うと、気が重くなるかもしれません。

しかし華やかな飛躍の時には、大きくエネルギーを消耗するというデメリットがあります。
そのため反動でガクッと疲れが出たり。弱っていた箇所に支障が出るものです。

飛躍必ずしも善ならず。

壬寅の1年は、華々しい成果を得ることはなかったとしても、粛々と重ねる平穏な日々の喜び。そして、その先に続く未来への希望への架け橋を作る時期と言えるでしょう。

芽吹きの時が来れば、まだ眠っていたいと願っても、外に飛び出していかなければなりません。
壬寅の時期にこそ地道に気力・体力・能力・財力を蓄えた人だけが、その後に巡ってくる飛躍の時に大きな成功を手にできるのです。

壬寅の1年で、あなたは何を蓄えますか?